国家資格の実地講習の機体“Phantom4 Pro”とは?性能や実地講習での使用理由を解説!
国家資格の講習で使用するphantom4 Proってどんな機体なの?性能は?
実際に審査で操縦する機体について知っておきたい!
こんな方に向けた記事です。
この記事は、千葉県船橋市のドローン企業「船橋DRONE STATION」が書いています。
ドローンを活用した測量・点検業務のほか、スクールや通販など、ドローンに関するさまざまなサービスを提供しており、行政とも提携している組織です。
今回は国家資格の講習で使用するphantom4 Proについて解説していきます。
Phantom4とは
Phantom4シリーズは、
「Phantom4」「Phantom4 Pro」「Phantom4 Advanced」「Phantom4 RTK」と大きく4種類に分けられます。
Phantom4 Pro
「Phantom4 Pro」は「Phantom4」と比べて、カメラ性能が向上しています。
「Phantom4」は1240万画素のカメラを搭載しているのに対し、「Phantom4 Pro」は1インチ2000万画素のカメラを搭載されています。
Phantom4 Advanced
「Phantom4 Advanced」はPhantom4 Proからカメラや機体性能はそのままに、後方ビジョンセンサーと2つの赤外線センサーを省略したものです。
また、送信機も5.8GHzの周波数帯域には対応しておらず、TapFly (タップフライ)後方の機能も装備されていません。
Phantom4 RTK
「Phantom4 RTK」は「Phantom4 Pro」と基本的なスペックは同じですが、測量やマッピングへの対応のためレンズの歪みを計算し校正を行う機能が搭載されています。
「+」がついているモデル
各モデルには「+」がついているモデルは送信機がありますが、違いとしてプロポにモニターが付属されています。
モニターはスマートフォンやタブレットと比べて、直射日光の元でも快適に映像の確認が可能です。
最新の機種は”Phantom4 Pro V2.0”、”Phantom4 Pro+ V2.0”です。最新とはいえ、2020年にこの機種が発売されて以来、後継機は一切発表されてません。現在製造はされておらず、中古でしか手に入れることはできません。
Phantom4 Proのスペック
最大離陸重量 | 1500g |
重量(バッテリーとプロペラ含む) | 1388g |
ペイロード | 112g |
対角寸法 (プロペラを含まず) | 350mm |
障害物センサー | 前方、後方、下方 |
最大速度 | 72km/h (Sモード) 58km/h (Aモード) 50km/h (Pモード) |
最大風圧抵抗 | 10 m/s |
最大飛行時間 | 約30分 |
カメラセンサー | 1’’ CMOS 有効画素数: 2,000万画素 |
送信機 最大伝送距離 | 4km |
フライトモード
Phantom4には「Positioningモード」「Sportモード」「Attiモード」の3つのフライトモードがあります。
Positioningモード
「Positioningモード」とは通常のフライトモード。
GPSとビジョンシステムを利用し、自らの位置を保持しながら誰でも簡単に、安定した飛行が可能。
通常のフライトモードの設定ではこのPモードとなっています。
Sportモード
「Sportモード」とはスピード重視のフライトモード。機体の最大速度を向上させます。
ただし、GPS以外の機能(障害物センサーも含む)が全てOFFになります。
迫力ある空撮をしたい場合に有効です。
Attiモード
「Attiモード」とは完全手動操縦のフライトモード。障害物感知センサーもOFFになります。
気圧計を使用した高度維持のみを行います。
国家資格では「Positioningモード」と「Attiモード」どちらも操縦できるようにならなければいけません。
これまで船橋DRONESTATIONを受講された方のほとんどの方が、この「Attiモード」に苦戦しています。
そこで「Attiモード」について少し深堀していきます。
ATTIモードが必要な場面
高いビルが多い都心部や天井の高い室内施設などは位置情報が正確に取得できない場合があります。
操縦中に何かしらのトラブルにより、GPSやビジョンポジショニングシステムが正常に働かなくなる可能性もあります。
映像表現としてより滑らかな動きを出すために、あえてATTIモードで飛ばすこともあります。
ATTIモードの練習方法
ATTIモードを練習方法として、始めは機体を正面に向けてホバリングします。
慣れてきたら機体を90度回転しホバリング。また慣れてきたら90度回転しホバリング。
この動きを繰り返し行い、機体がどこを向いていてもホバリングできるようにします。
練習用の機体として、ATTIモードにできる機体はファントムが最有力候補かと思われます。
そのため、中古のファントムを購入するかホバリングが安定しないトイドローンを使用するどちらかの方法になると思います。
もしも、中古のファントムを購入する場合は、機体登録の有無の確認が必要になります。
前の持ち主による機体登録がされている場合、譲渡手続きや登録削除を前の持ち主に行ってもらう必要があります。
飛行前のチェック項目
ドローンを飛行させる前後で機体のチェックをしましょう
まずは外観の確認
- ネジ、コネクタ、ケーブル等の取り付け状態
- プロペラの外観、損傷、ゆがみ
- フレームの外観、損傷、ゆがみ
- プロポの外観、損傷、ゆがみ
- 機体識別番号の表示
電源投入後の確認
- 機体とプロポがしっかりつながっているか
- ご自身の飛ばすモードになっているか
- バッテリー残量はあるか
- リモートIDは搭載しているか
- (必要に応じて)LEDランプはしっかり光っているか、カメラは映っているか
まとめ
国家資格の実地講習ではphantom4 Proを使用しているところが多いかと思います。
今回の記事では、phantomについて受講生からよく聞かれる内容となっています。
講習でよくつまずくところはATTIモードでの飛行です。
ホバリングの練習をしっかりしていただくことがまず第一歩かと思います。
中古のphantomを購入する際は、機体登録の有無をしっかり確認してください。
室内で気軽に飛ばしたい場合はトイドローンをおすすめしますが、ホバリングが不安定になるものをよりおすすめします。
機体がどの方向を向いていても間違った操縦をしないようにしっかり練習しましょう。